チャットインターフェースの基本
Kiro CLI のインタラクティブチャットは、ターミナル上でAIと自然言語で会話しながら開発を進められるインターフェースです。単なる Q&A ではなく、ファイル操作やコマンド実行を含むエージェント型の対話が可能です。
起動と基本操作
# プロジェクトディレクトリで起動
cd my-project
kiro-cli
起動すると、プロンプト(>)が表示され、自然言語で指示を入力できます。
> src/utils にバリデーション関数を追加してください
入力の工夫
改行の挿入: Ctrl+J を押すと、プロンプト内で改行できます。複数行の指示を送りたいときに便利です。
エディタで編集: /editor コマンドを実行すると、デフォルトのテキストエディタ(通常 vi)が開き、長文のプロンプトを快適に編集できます。
キーボードショートカット:
| ショートカット | 動作 |
|---|---|
Ctrl+C |
入力のキャンセル |
Ctrl+J |
改行の挿入 |
Ctrl+S |
ファジー検索(コマンド/ファイル) |
Ctrl+T |
タンジェントモード切替 |
↑ / ↓ |
入力履歴のナビゲーション |
非インタラクティブモード
対話セッションを開かずに、一発で質問やタスクを実行するモードです。スクリプトやCI/CDパイプラインへの組み込みに適しています。
基本的な使い方
# 単発の質問
kiro-cli chat --no-interactive "このプロジェクトのテスト方法を教えて"
パイプ連携
CLI ならではの強力な機能がパイプ連携です。他のコマンドの出力をそのまま Kiro に渡せます。
# Git の差分をレビューしてもらう
git diff | kiro-cli "これらの変更をレビューしてください"
# ビルドエラーの修正方法を聞く
npm run build 2>&1 | kiro-cli "このエラーの修正方法を教えてください"
# テスト結果の分析
npm test 2>&1 | kiro-cli "失敗しているテストの原因を分析してください"
# ログファイルの解析
tail -100 /var/log/app.log | kiro-cli "このログからエラーの原因を特定してください"
ツールの信頼設定
非インタラクティブモードでは、ツール実行の確認プロンプトが邪魔になる場合があります。
# すべてのツールを信頼(確認なしで実行)
kiro-cli chat --no-interactive --trust-all-tools "テストを実行して結果を報告して"
# 特定のツールのみ信頼
kiro-cli chat --trust-tools "read,write,shell" "READMEを更新して"
注意:
--trust-all-toolsはすべてのツールを確認なしで実行するため、信頼できるプロジェクトでのみ使用してください。
flowchart LR
subgraph Interactive["インタラクティブモード"]
A["kiro-cli"] --> B["対話的にやりとり"]
B --> C["ツール実行を都度確認"]
end
subgraph NonInteractive["非インタラクティブモード"]
D["kiro-cli --no-interactive"] --> E["一発で実行"]
E --> F["結果を出力して終了"]
end
subgraph Pipe["パイプ連携"]
G["コマンド出力"] --> H["| kiro-cli"]
H --> I["コンテキスト付き分析"]
end
style Interactive fill:#3b82f6,color:#fff
style NonInteractive fill:#8b5cf6,color:#fff
style Pipe fill:#22c55e,color:#fff
モデル選択
Kiro CLI では、タスクの性質やコスト要件に応じて AI モデルを切り替えられます。
利用可能なモデル
| モデル | 特徴 | コスト倍率 | 対応プラン |
|---|---|---|---|
| Auto(推奨) | 最適なモデルを自動選択 | 1.0x | 全プラン |
| Claude Haiku 4.5 | 高速・低コスト | 0.4x | 全プラン |
| Claude Sonnet 4.0 | バランス型 | 1.3x | 全プラン |
| Claude Sonnet 4.5 | 高度なコーディング | 1.3x | 全プラン |
| Claude Opus 4.5 | 最高性能 | 2.2x | Pro以上 |
| Claude Opus 4.6 | 最新・最高性能 | 2.2x | Pro以上 |
モデルの切り替え
チャットセッション中にモデルを変更するには /model コマンドを使います。
> /model claude-sonnet-4.5
デフォルトモデルを永続的に変更するには:
> /model set-current-as-default
CLI から直接設定することもできます。
kiro-cli settings chat.defaultModel claude-sonnet-4.5
モデル選択の指針
- Auto: 日常的な開発作業に最適。コストと品質のバランスが良い
- Haiku 4.5: 簡単な質問、高速なフィードバックが必要な場面
- Sonnet 4.0/4.5: 複雑なコーディング、リファクタリング
- Opus 4.5/4.6: 設計判断、高度なアーキテクチャ分析
基本的なスラッシュコマンド
チャットセッション中に使えるスラッシュコマンドを紹介します。
ナビゲーション
| コマンド | 説明 |
|---|---|
/help |
ヘルプエージェントに切り替え |
/quit |
セッション終了(/exit, /q も同義) |
/clear |
画面クリア(データは保持) |
エディタ・入力
| コマンド | 説明 |
|---|---|
/editor |
デフォルトエディタでプロンプト作成 |
/reply |
直前のアシスタントメッセージに返信 |
/paste |
クリップボードの画像を添付 |
情報表示
| コマンド | 説明 |
|---|---|
/model |
AIモデルの選択・変更 |
/usage |
クレジット使用状況 |
/mcp |
稼働中のMCPサーバー |
/tools |
利用可能なツール一覧 |
/hooks |
設定されたフック一覧 |
/changelog |
CLIの更新履歴 |
管理
| コマンド | 説明 |
|---|---|
/compact |
会話を要約して圧縮 |
/issue |
バグ報告 |
/logdump |
診断ログの生成 |
/experiment |
実験的機能のトグル |
ヘルプエージェント
Kiro CLI に関する質問は、ヘルプエージェントに聞くのが最も正確です。一般的なAIの知識ではなく、公式ドキュメントに基づいた回答を返します。
使い方
> /help
> /help MCP サーバーの設定方法を教えて
ヘルプエージェントは .kiro/ ディレクトリ内のファイルを作成・編集する機能も持っています。エージェント設定やプロンプトの作成を手助けしてくれます。
元のエージェントに戻るには、もう一度 /help を実行するか、/agent swap で切り替えます。
ツールの管理
Kiro CLI は様々な組み込みツールを使ってタスクを実行します。ツールの確認と信頼設定は /tools コマンドで管理します。
> /tools # ツール一覧を表示
> /tools trust read # read ツールを信頼
> /tools untrust read # 信頼を解除
> /tools trust-all # すべてのツールを信頼
> /tools reset # 信頼設定をリセット
> /tools schema read # ツールのスキーマを表示
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| インタラクティブモード | kiro-cli で対話的に開発 |
| 非インタラクティブモード | --no-interactive でスクリプト連携 |
| パイプ連携 | コマンド | kiro-cli "指示" |
| モデル選択 | Auto(推奨)、Haiku(高速)、Opus(最高性能) |
| スラッシュコマンド | /help, /model, /tools, /compact 等 |
| ヘルプエージェント | /help で公式ドキュメントベースの回答 |
Day 3 では、セッション管理と translate/autocomplete によるターミナル活用を学びます。