10日で覚えるKiro CLIDay 2: インタラクティブチャット
books.chapter 210日で覚えるKiro CLI

チャットインターフェースの基本

Kiro CLI のインタラクティブチャットは、ターミナル上でAIと自然言語で会話しながら開発を進められるインターフェースです。単なる Q&A ではなく、ファイル操作やコマンド実行を含むエージェント型の対話が可能です。

起動と基本操作

# プロジェクトディレクトリで起動
cd my-project
kiro-cli

起動すると、プロンプト(>)が表示され、自然言語で指示を入力できます。

> src/utils にバリデーション関数を追加してください

入力の工夫

改行の挿入: Ctrl+J を押すと、プロンプト内で改行できます。複数行の指示を送りたいときに便利です。

エディタで編集: /editor コマンドを実行すると、デフォルトのテキストエディタ(通常 vi)が開き、長文のプロンプトを快適に編集できます。

キーボードショートカット:

ショートカット 動作
Ctrl+C 入力のキャンセル
Ctrl+J 改行の挿入
Ctrl+S ファジー検索(コマンド/ファイル)
Ctrl+T タンジェントモード切替
/ 入力履歴のナビゲーション

非インタラクティブモード

対話セッションを開かずに、一発で質問やタスクを実行するモードです。スクリプトやCI/CDパイプラインへの組み込みに適しています。

基本的な使い方

# 単発の質問
kiro-cli chat --no-interactive "このプロジェクトのテスト方法を教えて"

パイプ連携

CLI ならではの強力な機能がパイプ連携です。他のコマンドの出力をそのまま Kiro に渡せます。

# Git の差分をレビューしてもらう
git diff | kiro-cli "これらの変更をレビューしてください"

# ビルドエラーの修正方法を聞く
npm run build 2>&1 | kiro-cli "このエラーの修正方法を教えてください"

# テスト結果の分析
npm test 2>&1 | kiro-cli "失敗しているテストの原因を分析してください"

# ログファイルの解析
tail -100 /var/log/app.log | kiro-cli "このログからエラーの原因を特定してください"

ツールの信頼設定

非インタラクティブモードでは、ツール実行の確認プロンプトが邪魔になる場合があります。

# すべてのツールを信頼(確認なしで実行)
kiro-cli chat --no-interactive --trust-all-tools "テストを実行して結果を報告して"

# 特定のツールのみ信頼
kiro-cli chat --trust-tools "read,write,shell" "READMEを更新して"

注意: --trust-all-tools はすべてのツールを確認なしで実行するため、信頼できるプロジェクトでのみ使用してください。

flowchart LR
    subgraph Interactive["インタラクティブモード"]
        A["kiro-cli"] --> B["対話的にやりとり"]
        B --> C["ツール実行を都度確認"]
    end
    subgraph NonInteractive["非インタラクティブモード"]
        D["kiro-cli --no-interactive"] --> E["一発で実行"]
        E --> F["結果を出力して終了"]
    end
    subgraph Pipe["パイプ連携"]
        G["コマンド出力"] --> H["| kiro-cli"]
        H --> I["コンテキスト付き分析"]
    end
    style Interactive fill:#3b82f6,color:#fff
    style NonInteractive fill:#8b5cf6,color:#fff
    style Pipe fill:#22c55e,color:#fff

モデル選択

Kiro CLI では、タスクの性質やコスト要件に応じて AI モデルを切り替えられます。

利用可能なモデル

モデル 特徴 コスト倍率 対応プラン
Auto(推奨) 最適なモデルを自動選択 1.0x 全プラン
Claude Haiku 4.5 高速・低コスト 0.4x 全プラン
Claude Sonnet 4.0 バランス型 1.3x 全プラン
Claude Sonnet 4.5 高度なコーディング 1.3x 全プラン
Claude Opus 4.5 最高性能 2.2x Pro以上
Claude Opus 4.6 最新・最高性能 2.2x Pro以上

モデルの切り替え

チャットセッション中にモデルを変更するには /model コマンドを使います。

> /model claude-sonnet-4.5

デフォルトモデルを永続的に変更するには:

> /model set-current-as-default

CLI から直接設定することもできます。

kiro-cli settings chat.defaultModel claude-sonnet-4.5

モデル選択の指針

  • Auto: 日常的な開発作業に最適。コストと品質のバランスが良い
  • Haiku 4.5: 簡単な質問、高速なフィードバックが必要な場面
  • Sonnet 4.0/4.5: 複雑なコーディング、リファクタリング
  • Opus 4.5/4.6: 設計判断、高度なアーキテクチャ分析

基本的なスラッシュコマンド

チャットセッション中に使えるスラッシュコマンドを紹介します。

ナビゲーション

コマンド 説明
/help ヘルプエージェントに切り替え
/quit セッション終了(/exit, /q も同義)
/clear 画面クリア(データは保持)

エディタ・入力

コマンド 説明
/editor デフォルトエディタでプロンプト作成
/reply 直前のアシスタントメッセージに返信
/paste クリップボードの画像を添付

情報表示

コマンド 説明
/model AIモデルの選択・変更
/usage クレジット使用状況
/mcp 稼働中のMCPサーバー
/tools 利用可能なツール一覧
/hooks 設定されたフック一覧
/changelog CLIの更新履歴

管理

コマンド 説明
/compact 会話を要約して圧縮
/issue バグ報告
/logdump 診断ログの生成
/experiment 実験的機能のトグル

ヘルプエージェント

Kiro CLI に関する質問は、ヘルプエージェントに聞くのが最も正確です。一般的なAIの知識ではなく、公式ドキュメントに基づいた回答を返します。

使い方

> /help

> /help MCP サーバーの設定方法を教えて

ヘルプエージェントは .kiro/ ディレクトリ内のファイルを作成・編集する機能も持っています。エージェント設定やプロンプトの作成を手助けしてくれます。

元のエージェントに戻るには、もう一度 /help を実行するか、/agent swap で切り替えます。

ツールの管理

Kiro CLI は様々な組み込みツールを使ってタスクを実行します。ツールの確認と信頼設定は /tools コマンドで管理します。

> /tools              # ツール一覧を表示
> /tools trust read   # read ツールを信頼
> /tools untrust read # 信頼を解除
> /tools trust-all    # すべてのツールを信頼
> /tools reset        # 信頼設定をリセット
> /tools schema read  # ツールのスキーマを表示

まとめ

項目 内容
インタラクティブモード kiro-cli で対話的に開発
非インタラクティブモード --no-interactive でスクリプト連携
パイプ連携 コマンド | kiro-cli "指示"
モデル選択 Auto(推奨)、Haiku(高速)、Opus(最高性能)
スラッシュコマンド /help, /model, /tools, /compact
ヘルプエージェント /help で公式ドキュメントベースの回答

Day 3 では、セッション管理と translate/autocomplete によるターミナル活用を学びます。